兵庫県たつの市で開院している寺田動物病院のホームページです

寺田動物病院トップページ > 医療情報
乾性角結膜炎

 

乾性角結膜炎(ドライアイ)

 

涙の主な働きは、角膜の保護・角膜への栄養分の供給・眼表面の細菌や異物を洗い流す

・眼瞼の動きを滑らかにする、などです。

「乾性角結膜炎」とは、『涙液の量的または質的な異常により角結膜の上皮が障害

された状態』を言います。

 

  量的異常:涙腺における涙液の産生が減少した状態。いくつかの原因がありますが、    

主な原因は「免疫介在性」の涙腺炎と言われています。

  質的異常:涙液量は正常かそれ以上であるにもかかわらず、油成分やムチン成分の

            異常により涙液が眼表面で安定しないため蒸発してしまう状態。

 

 *涙液は油層・水層・ムチン(粘膜)層の3層からなります。油層の成分は上下の眼

  瞼(まぶた)の内側にある「マイボーム腺」と呼ばれる脂腺から分泌され、水層の蒸発

  を防いだり、表面張力により涙液があふれるのを防ぐ作用があります。ムチン層は涙液

  中の免疫作用物質を保持したり、細菌や異物などから眼表面を排除する作用があります。

<症状>

・結膜の充血

・粘液膿性の眼脂(目やに)

・羞明(しゅうめい=眼をしょぼしょぼさせること)

・角膜潰瘍

・急性例では眼の痛み  など

 

<診断>

 シルマー試験:目盛りのついた濾紙を下眼瞼と角膜の間に挟み、1分間に涙液が何ミリ

                吸収されるかを測定します。

        15mm以上:正常

        11~14mm:初期の乾性角結膜炎

        6~10mm:軽度~中程度の乾性角結膜炎

        5mm以下:重度の乾性角結膜炎

*シルマー試験は涙液の産生量を判断する検査で、質的の乾性角結膜炎は診断できません。

 

 フルオレセイン試験:角膜に傷があるかどうかを調べる検査です。角膜に傷があれば

               その場所が緑色に染色されます。

 

 

<治療>

①涙液産生刺激:免疫抑制作用のある点眼薬(眼軟膏)により、涙液産生を刺激します。

②涙液代替:水分の補給と眼表面の洗い流しのために人工涙液を使用します。

③細菌感染抑制:角膜表面が乾燥していると細菌感染を起こしやすくなるため、抗生剤

               の入った点眼薬を使用します。

④炎症を抑える:点眼薬であまり改善が見られない場合は炎症を抑えるためにステロイド

               の飲み薬を使用することがあります。

⑤マイボーム腺のマッサージ:油層の成分や排出が異常な場合、蒸しタオルなどを眼瞼に

              当てて温め、その後指で眼瞼全体をマッサージしたり、ピンセットなどで

              圧迫してマイボーム腺内容物を強制的に排出させることもあります。

*角膜に傷があったり、犬が眼を気にしてこする仕草をする場合はエリザベスカラーを装

着します。

 

症状が改善されてきたら、点眼薬の種類や回数を減らしていきますが、治療は一生涯必要

となります。

 

先頭へ戻る
ワンニャンドッグ(健康診断)キャンペーン中です!

皆さん、大切なあなたの小さな家族の
本当の年齢をご存知ですか?
生後5年で人間で40歳。生後10年で65歳。
生まれて5年経つともう立派な中年、
10年からは老犬です。
犬やネコの寿命は、14年ほど。
あっという間に年をとっていきます。
いつまでも元気で健康でいて欲しいから…
年に一度の健康診断。お勧めします。

12月1日~2月28日まで特別料金で行っております。

問い合わせ、お申し込みは受付までどうぞ。

0791-63-3252

先頭へ戻る
犬の甲状腺機能低下症

犬の甲状腺機能低下症 

 甲状腺は喉(気管の外側)に左右一対ある小さな器官で、甲状腺ホルモンを分泌します。甲状腺ホルモンの作用は、熱産生作用、糖・脂肪・タンパク質代謝に対する作用、神経系及び血管系に対する作用などさまざまで、「甲状腺機能低下症」は甲状腺からのホルモンの分泌が少なくなる病気です。

 

<原因>

遺伝的要素が関係していたり、下垂体(脳)の先天的異常や腫瘍、感染が原因のこともありますが、ほとんどの場合(95%以上)は「原発性」(甲状腺の機能異常)と言われています。

 

<症状>

 皮膚・尾から始まって全身化する両側性、対称性脱毛

   ・色素沈着、角化亢進

   ・乾燥もしくは油状の皮脂、被毛

   ・被毛色の変化、換毛(毛代わり)がうまくできない

   ・顔面や肩の粘液水腫(厚く、冷たい、腫れぼったい皮膚)

 血管系・徐脈

 胃腸系・食欲低下

    ・肥満

    ・便秘

 その他・元気消失

    ・低体温

    ・高コレステロール血症

*甲状腺ホルモンの作用が多様なため、症状も多種多様となります。

 

<診断>

 血液中の甲状腺ホルモンを測定します(外部以来のため、結果が出るのに3日程度かかります)。全身状態を把握したり他の疾患との鑑別のために、甲状腺ホルモンの測定以外に一般血液検査やコレステロール値の測定します。また必要に応じてレントゲン検査や腹部超音波検査なども行うこともあります。

<治療>

生涯にわたって甲状腺ホルモンの薬を飲ませます。投薬中、定期的にホルモン値を測定し、薬の用量や投与回数を調整していきます。予後は非常に良好です。

 

先頭へ戻る
犬の伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)

 

犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)
 
 犬伝染性気管気管支炎は、「ケンネルコフ」とも呼ばれ、伝染性が高く気道に限局した急性疾患です。
<病因>
 犬パラインフルエンザウィルス、犬アデノウィルス2型、気管支敗血症菌などの感染因子の中の1つあるいは2つ以上が同時感染することによって起こります。
 これらのウィルスや菌は、感染犬と直接接触することにより咳やくしゃみを介して「飛沫感染」します。またそれらの飛沫が人やケージ、餌、食器などを介して感染することもあります。ペットショップなどの過密環境で感染し、環境の変化などによるストレスで発症することがほとんどです。
 
<症状>
激しい咳やえづきがあり、鼻汁、目やになどが認められることもあります。通常は食欲はあり発熱することもあまりありません。咳は運動、興奮、首輪の圧迫などによって悪化しますが、ほとんどの犬では自然に消失し約2週間で改善します。
しかし非常に若齢の子犬や免疫不全状態の犬では、二次的な細菌性肺炎を併発すると重症化したり致命的になることもあります。
 
<治療>
 合併症がなく軽度の場合は、時間がたてば自然治癒することがほとんどですが、咳によって起こる気道の刺激を少なくするために、少なくとも7日間の安静(運動と興奮を避ける)と気道の加湿が必要です。
 激しい咳や合併症が疑われる場合は、抗生剤や鎮咳薬(咳止め)を投与することもあります。
 
* 適切な換気と消毒を行い、回復してからも1~2週間はウィルスを排泄することがあるので、他の犬との接触は避けてください。
* しっかり餌を食べさせ、出来るだけストレスを避け安静にしてください。
* 症状が改善しないときや悪化するときは早めに受診してください。
先頭へ戻る
椎間板ヘルニア

”突然キャンキャン泣いてうずくまる” ”突然後ろ足が、腰が立たなくなる” ”少しづつ後ろ足がふらつく” ”抱くと痛がる”

などが椎間板ヘルニアの症状であり、人間に起こる椎間板ヘルニアの様に、犬や猫にも起こります。

はっきり言って”経験した物にしか分らない痛み”ですね。この文書をお読みいただいてる方自身がヘルニア経験者なら頷いてくださるはすだが。(ちなみに院長はヘルニア経験者であり、ヘルニアの犬にはいつも以上に優しくなってしまうのだが)

脊椎(背骨:首や腰の骨ってこと)の1個1個の間には、クッション機能を持つ椎間板といわれる物質があります。これが色んな原因で脊椎側に飛び出し、脊椎の中を走る脊髄神経を圧迫する病気です。頚にも胸にも腰にも起こり、飛び出した椎間板物質が当たった脊髄神経の部位により、動きたがらない・四肢麻痺・後肢麻痺・排尿障害・排便困難・痛みなどの神経症状引き起こしてきます。

「診察室での診断」

一般身体検査:動物の意識状態、行動、歩様、触診など注意深く観察します。また、飼い主さまが気付く状態や排便、排尿の状態もお聞きします。

神経学的検査:意識状態、姿勢反応、脊髄反射、脳神経検査、知覚(痛みの有無)などを診ます。これらは特殊な検査ではありません。診察室で獣医師が動物の体を色々触って検査します。

⇒以上の診察で、脊髄疾患(椎間板ヘルニアは沢山ある脊髄の病気の一つです)なのか否か、また病変の位置決め(ヘルニアがどこの部位に起こっているのか)を行います。そして治療指針を決める為に、今の症状がどれぐらい悪いのかといったグレード分けを行います。

「検査」 以下の検査は、治療として手術を前提にした場合に行います。

血液検査:動物の状態を把握します。

レントゲン検査:普通のレントゲン検査で脊椎それぞれの間隔や骨の変化の有無などを診ます。問題の椎間板物質や脊髄神経はこれでは観察できません。ヘルニア以外の病気で同じような症状を出す病気(変形性脊椎症、椎体炎、骨の腫瘍など)が無いか見ます。また、レントゲン検査で写らないはずの椎間板の中心にある髄核が石灰化して見えているかどうかも診ます。

脊髄造影検査:脊椎の中を走る脊髄神経を浮かび上がらせ、椎間板物質の飛び出した場所(病変部位)を特定します。その場所を手術していくわけです。動物はじっとしていてくれませんので全身麻酔をして検査します。当院で行える検査です。

白い2本の線が間が脊髄神経であり、白い線がとぎれている部位に椎間板物質の脱出、圧迫が起こっています。

以下の写真は、背側から骨の腫瘍によって脊髄神経の圧迫が起こっている写真です。

MRI検査:脳や脊髄の病気はMRI検査が一番適しています。脊髄造影検査で、殆どどこの部位で起こっているのか分ります(95%判断できます)が、MRI検査の方がよりわかりやすく(98%)、また重度の脊髄損傷(手術不適)が診断できます。この検査も全身麻酔をして行います。当院ではこのMRI検査は行えませんので、近隣の検査センターや病院をご紹介しております。MRI検査は、検査費用が5万円は掛かりますので脊髄造影検査のみにするか、MRI検査をお受けになるかは、飼い主様に必ず選択してもらっております。当院での実績では約20%の方が選ばれております。お気軽にご相談ください。

「治療」

内科療法:約1ヶ月の絶対安静(ケージの中に閉じ込める)が一番大切です。安静が脊髄の炎症を和らげてくれます。その補助療法として、抗炎症剤の投与とリハビリを行います。獣医師によりリハビリの計画を作成させていただいております。

外科療法(手術):脊椎を削って飛び出した椎間板物質を摘出し、脊髄神経の圧迫を取ります。片側もしくは背側椎弓切除術を行います。当院では頚部のヘルニアにも、片側椎弓切除術で対応しております。

上が術前のモデルです。下の写真の様に病変部位の前後の骨を削って神経を露出し、飛び出した椎間板物質を取り除きます。

以下の写真は、手術で取り除かれた脱出し脊髄神経を圧迫していた椎間板物質です。

 

「リハビリ」

内科療法、外科療法にかかわらず、リハビリテーションが必要です。特別な器具を使わずとも飼い主さんが行える方法を指導させていただいております。動物とスキンシップをとりながら楽しくそして根気強く行ってください。

「予後」

1頭1頭、それぞれの犬にとってさまざまな症状、重症度があります。その症状と重症度によって治療法や治る治らないの見積もり(予後)が全く違います。

他の病気と同じでなのですが、知り合いの同じ病気の犬と簡単に比べないでください。その子その子で治療方法やその後の予後がまったく違います。自分の子がどのような程度で、どの治療を施してやり、どの程度が期待できるのかをしっかり把握しなければなりません。分るまでご質問ください。分るまでご説明させていただきます。

犬や猫の椎間板ヘルニアは、人間とは比べ物にならないほど激しく重度な症状を呈する場合が非常に多いです。人間の椎間板ヘルニアの場合、後肢の完全な麻痺・排尿排便障害・痛覚の完全消失までの症状まで進行して行く事はそれほど多くはありませんが、犬の場合は非常に多く見受けられます。それゆえ、治癒が悪いものが想像以上に多いのも事実です。しかし、痛みがひどく、後肢がふらつく、起立歩行可能、痛みも分るといった場合は80-90%は治ることが可能です。

治療の方法にかかわらず、その動物の脊髄神経の圧迫による炎症の程度が一番予後(治るのか治らないのか)に関係しており、受診時にそれが判断できる場合もあれば、数日~数週間かけた変化の過程で判断できる場合もあります。手術を怖がるより、手術のチャンスがあるうちに(進行して痛みも分らなくなる前に)行うのが良いでしょう。

①飼い主さんの早い発見と早い受診が一番大切、②経過を見ながらの絶対的な安静、③その次に状態の程度(グレード)に伴って内科療法を選ぶのか手術を選ぶのかをしっかり見極める事、④手術を決心したら早期に行う事、⑤根気強いリハビリテーション

以上が大切なポイントです。

動物の痛みや麻痺は、飼い主にとっても獣医師にとっても分りにくいものです。焦らず、でもしっかりと見守りましょうね。

先頭へ戻る
胆嚢粘液嚢腫

胆嚢粘液嚢腫は、過剰な粘液(ムチン)の蓄積により胆嚢が拡張し、総胆管の閉塞や胆嚢の破裂を起こしてくる胆嚢の病気です。

原因などまだまだ分っていない事が多い病気ですが、胆嚢の運動低下、高コレステロールなどによると考えられています。

黄疸や肝酵素の上昇、胆嚢破裂などで多くは見つかりますが、最近では、健康診断や何かの検査の際に見つかり、無症状と時に見つかることが多くなって来ました。

症状が無くても注意深い定期観察を行い、肝酵素の上昇や症状が見られてくると手術が必要になります。また、変化の見られる前に手術で胆嚢を摘出する場合もあります。

当院では、年約2-3頭の罹患率です。

ぜひ健康診断の時には腹部超音波検査を加えられる事をお勧めします。

①腹部超音波検査(エコー):大きく拡張しキィウィーフルーツ断面様に描写される胆嚢

②摘出された胆嚢:表面は炎症を起こし、内容物の過剰な貯留で破裂寸前である。

③ゼラチン様ムチン物質で満載となっている内容物:正常では薄い黄金色でサラーとした液体の胆汁で満たされている。

 

先頭へ戻る
Ao Vet Principles Course 受講

Ao Vet Principles Course 受講  2009年6月5.6.7日神戸

AOとは、骨折治療の基礎、臨床的研究グループです。AO Courseとは、骨折治療の基礎、臨床的研究グループであり、スイスに本部を置く非営利団体、AO Foundationが開催する医師・獣医師・看護師を対象とした、骨接合法に関する教育活動です。

当院では、以前より整形外科における骨折に治療法はAO の考えに則った治療を行っていましたが、今回獣医師向けのコースが日本で開催される事となり、受講しました。

当院での治療例

脛骨骨折 プレート法           若令犬脛骨骨折 創外固定法

骨盤骨折 プレート法

 

先頭へ戻る
精巣の腫瘍
精巣の腫大                                           
精巣のが大きく腫れるている時にはいろんなことが考えられます。
二次的に引き起こされる原因として、右心不全による浮腫、虫刺されや蛇に噛まれても起こります。
精巣自体に問題がある場合を以下に記します。
 
 
    セルトリー細胞腫Sertoli cell Tumor
          精細管の内側のセルトリー細胞(生殖細胞を支持し、栄養を補給する)が腫瘍化
    間細胞腫Interstitial cell tumor
          精細管周囲の間質細胞(アンドロジェンを分泌)の腫瘍化
    精上皮腫Seminoma
          精細管内の生殖細胞が腫瘍化
    精巣炎   最近の感染(前立腺炎、ブルセラ病、などから波及)
    精巣水腫 
 
[発生年齢(腫瘍)]
  中年
[陰睾との関係]
  セミノーマとセルトリー細胞腫の発生頻度は、下降した精巣の陰睾精巣は約13倍。
  発生割合 セミ4:セル6 
  腹腔内のものよりソケイ管内のものの方が約2倍腫瘍発生。
  右の方が多い。
[悪性度]
  転移率(文献により色々)
  セミノーマ 5~11%、セルトリー細胞腫 10~20%
  ⇒所属リンパ節、動脈周囲、内腸骨リンパ節群、肺、諸臓器。
  ⇒必ず、随時、病理学的検査で腫瘍細胞の異型性、被膜への浸潤性、脈管への浸潤性
などによって悪性度を判定!
[臨床兆候]
  セルトリー細胞腫 雌性化、エストロジェン中毒 対称性非掻痒性脱毛
  間質細胞腫の約50%は両側性、セミノーマとセルトリーは10%が両側性。
[治療]
  手術:去勢(総鞘膜を被せたまま広範囲に完全摘出)+リンパ節の郭清
  転移したセミノーマ(放射線療法、アドリアマイシンなど)

[予後]

  セルトリー(転移や骨髄毒性の無いものは良好、血液学的改善はOPE後2~3週で改
善、完全な回復に5ヶ月かかることも。骨髄毒性で死亡も)
先頭へ戻る
前十字靭帯断裂の手術後の管理
膝の関節においてこの靭帯は非常に大切な役目を持っています。かなりの負荷をもって機能している靭帯です。よって術後の管理が非常に重要です。人間で言うところの“リハビリ”ですね。
術後の管理と減量が一番大切であり、手術の成否を決めます。必ず下記の注意点を守ってください。
 
①術後約1ヶ月間は絶対安静を守りましょう。
・退院後の1週間は必ず、ケージやサークルの中での生活をさせましょう。柔らかいマットなどの上での生活を推奨します。
・退院後2週目に抜糸を行います。また、その際、足の具合を診察させて頂きます。
・特に、坂道、ジャンプなど激しい運度や早足や5分以上の運動は絶対に避けてください。ケージから出す時は必ず綱を付けて運動を管理してください。その際もリードは短く持ち、ゆっくりしたスピードでの散歩を心がけてください。
・術後1ヶ月は、ケージやサークルの中での飼育を推奨します。
 
②術後2ヶ月目から。
まだ坂道、ジャンプなど激しい運動は絶対にさせないで下さい。
 散歩の時間は足の調子を見ながら少し増やしても良いでしょう。約15分ほどを目安にしましょう。この時期も必ず綱を付けての運動量を管理してください。
 まだこの時期に腫れや痛みのあるときは、お薬を投与します。
 
③術後3ヶ月目から。
少しずつ様子を見ながら散歩を増やしてもらって良いです。
④それ以後
関節疾患へのサプリメントの継続的な投与をお勧めします。
術後の管理において減量に勝るものはありません。必ず減量は行ってください。
また、3ヶ月が過ぎてもこれから先、あまり激しい運動はさせないほうが良いでしょう。一度痛めた関節は必ず、再発や数年後の変形性関節症の発生率が高いものです。十分注意して生活させてあげてくださいね。
先頭へ戻る
てんかん

「てんかん」
さまざまな原因によって発作(脳神経細胞が無秩序に興奮・命令することによって起こる発作)を繰り返す病気です。
1.特発性てんかん
   いろんな検査をしても特に何も原因がないのにてんかん発作が起こるタイプ。犬のてんかんのほとんどはこのタイプ。原因は分っていません。遺伝的な要素が関連していると考えられています。特発性てんかんではこの「てんかん発作」以外に全く症状がないことが特徴です。
2.症候性てんかん
   内科的な疾患や脳の外傷や脳腫瘍、脳炎、水頭症などの原因によって2次的に引き起こされるタイプ。症候性てんかんでは発作の原因となる病気が他にあるし、他の症状があることがほとんどです。
 
てんかん発作のタイプ
1.全般発作
   最も多いのが全般性強直間代性発作です。
① 始めに全身(特に前足と後ろ足)がピーンと伸びて、横転したり、後ろへひっくり返って、足や口を細かくガタガタと震わせる(これを強直性けいれんといい、数十秒続く)。
② その後手足の屈伸運動や犬かきをして泳ぐような運動が続く(これを間代性けいれんといい、これも数十秒から数分続く)。この時、その動物には意識はなく、目の瞳孔は開き、失禁したり脱糞したり口から泡を吹いたりする。
③ これが終わるとケロッと普段の状態に戻ったり、しばらくもうろうとした後にだんだん普通の状態に戻る。

2.焦点性発作(部分発作)
   脳の一部分が興奮することによって起こるタイプ。全般性発作と違って全身がけいれんしたりするわけではなく、体のある場所だけが起こします。例えば、前足だけがけいれんしたり、咀嚼運動(チューインガム発作)や顔面けいれん、大量のよだれ、散瞳、チック、尾追い行動などもあります。
 
 ほとんどの犬猫は何の前ぶれもなくてんかん発作を起こします(寝入るとき、寝ているとき、寝起き時に多いことが知られています)。前兆が認められる場合も在るにはありますが。

てんかん発作を始めて見る飼い主さんは、「死んでしまうのでは…?」と思いがちですが、通常1回のてんかん発作で死んでしまうこと余りありませんので安心してください。
しかし、何度も同じ日に繰り返したり、10分以上止まらないなどの場合は、すぐに病院に罹って下さい。

以下の症状が見られる場合。

群発発作:ある一定の期間(例えば1ヶ月)に一度、「数日にわたって発作がめちゃくちゃな回数繰り返す」というもの。
発作重積:「1回の発作が30分以上続く」あるいは「1回の発作の後、すぐに次の発作が始まってしまう」というもの。
犬や猫が群発発作や発作重積を起こした場合はすぐに動物病院に行くことが必要です。

てんかんの診断法
1. 問診
    大抵、病院に来られた時やお電話での相談を受けた時には、発作が終わっていることがほとんどなので、獣医師がてんかん発作を目にすることはあまり無いのです。よってひつこいほどに飼い主さんに問診を行います!

飼い主がしっかりと犬の状態を観察しておく事が重要です。
・ どんな症状か?全身性か部分性なのか?
・ 意識はあったのか?
・ 失禁は?
・ 何分続いた?
・ 何か前兆はあったか?
・ 発作後の様子は?
・ 最近食事の変化は?
・ ワクチンは?
など色々お聞きします。

2.身体検査・神経学的検査
特発性てんかんと症候性てんかんを区別するのに重要。

一般に、特発性てんかんでは神経学的検査で異常が見られることは無く、逆に症候性てんかんでは神経学的検査で異常が検出されることが多い。

3.血液検査
① 血液からわかる異常によって起こる発作の原因を除外するため(例えば、低カルシウム血症や高脂血症、低血糖、貧血、高アンモニア血症などはてんかん発作に似た症状を示すことがあります)。また、ウィルス感染でもてんかん発作を起こすことがあるので、ウィルスに感染しているかどうかを調べることもあります。

 ここまでの検査で「身体検査・神経学的検査・血液検査」ともに異常が無ければおそら
く「特発性てんかん」、「身体検査と血液検査が正常、神経学的検査で異常」であれば「症
候性てんかん」と仮診断できます。

大体は問診と異常の検査で大まかな診断がつきますが、以下の検査も行う場合もあります。
CT,MRI検査。脳波検査。脳脊髄液検査。

てんかんの治療法
1:特発性てんかんの治療
   特発性てんかんの治療は、てんかん発作を抑えて、てんかん発作繰り返されることによって脳が壊れてしまうのを防ぐために行います。「抗てんかん薬」と呼ばれる薬を使います。
  てんかんを治すのではなく、てんかんを止めるのが治療の目的になります。
* 「てんかんの治療」というと「てんかんが完全に治る」と思われることが多いのですが、それは誤解です。
*  抗てんかん薬による治療の目的は、発作の頻度を少なくする、あるいは1階の発作の強さを弱くすることで、完全に発作がなくなることはほとんどありません。
* 一生涯のみ続ける場合がほとんどです。

2:症候性てんかんの治療
 症候性てんかんは脳に何かがあっててんかん発作を繰り返したり、内科疾患によって引き起こされる、原因を取り除くことが第一になります。

「発作が出た時どうすればいいですか?」と聞かれることがありますが、「特に何もすることはありません」。
触ったり、抱いたり、声を掛けり絶対にしないで下さい。
飼い主は落ち着いて!その様子をしっかり観察するようにしてください。
何月何日何時頃、どのような発作を、どのくらいの時間起こしたのかなどを記録してください。
発作中の動物に手を出すことは危険です。発作中は意識がありませんし、筋肉が勝手に動いているので咬まれることがあります。
てんかんと診断されても、特に生活を変えないでください。
てんかんの治療は飼い主の冷静で落ち着いた観察が一番必要です。

先頭へ戻る
次ページへ »